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「あめがぱらつく」
を
「わかめがぱらつく」
と聞き間違えたところがはじまりです。
人生、何が起こるか、本当にわからないもんです。
を
「わかめがぱらつく」
と聞き間違えたところがはじまりです。
人生、何が起こるか、本当にわからないもんです。
わかめのぱらつく日
ベティ (以下べ)
「たしかに私は彼の事を愛してたわ。
でも、それが間違いだったの」
ロブ (以下ロ)
「後悔してるのかい?」
ベ「そんなことないわ。
ただ、私わかったの」
シェリー(以下シ)
「zzz...」
ベ「ドリーは、私の事なんて、本当はどうでもよかったんだわ」
シ「zzz...」
ベ「ドリーは、いつも私のことを見ていてくれてると思ってた。
何か食べてても、寝てて起きた時もすぐに私のことを探してくれた。
クールだから、モテてたのは確かだけど、他のどんな娘が群がってても、たまに私のほうを、寂しそうな目をして見てくれたのが、一番うれしかった。
彼の素敵なダンスも、私に見せるためだけに・・・
でも、全部私の勘違い。
ドリーの口にまんまとノセられたんだわ」
ロ「遠くから見てただけなのかい?」
ベ「そんなことないわ。
しょっちゅうちゃんと二人で話したつもりよ。
ただ、ドリーからどうしても離れない娘も、いつもいっぱいぶる下がってたけどね」
シ「zzz...」
ベ「でも、そんな娘のことなんか、私は一切気にならなかった。
だって、あんな娘たちなんか、私より体もずっと小さいし...彼とは釣り合わないもん。
彼も言ってたの。
水の中には、好きでもないのにどうしても必要な相手がいるの。
必要でないのに、矢鱈にしつこくつきまとう奴もいるわ。
でも、今まで会ったこともなくて、必要もなかったのに、一緒にいるだけで、なんかくすぐったくって、何にもしてなくても、一緒に楽しくなれる人がいるって。
それが私だって!」
ロ「そう言ったのかい?
ばあさん、いびきかいてるよ!」
シ「おっと!」
ベ「まわりにいっぱい群がってたし、ドリーは人気者だから、最後はよく聞こえなかったわ。
でも、ドリーの目はマジだった」
シ「若い奴は思い込んだら絶対だからねぇ」
ロ「ばぁさん、そうからかうな」
ベ「そうよ。全部私の思い込みよ。
ずいぶん馬鹿なことをしたわ。
彼の好きな形の貝殻のあるところを探したし、陽がゆっくりと沈んでゆくときに、だんだん青く染まるのが、ものすごく綺麗なところも見つけた。
私がドキドキしながら小声で誘うと、彼は、ちゃんと来てくれたわ。
そりゃぁいつもってわけじゃなかったけど・・・」
ロ「小娘にしちゃぁずいぶんと積極的じゃぁないか。」
ベ「でも...でも全部嘘だったの。
彼は所詮旅人なんだわ。
たとえ一時(いっとき)どんなにやさしくしてくれたとしても、時がくれば、行ってしまうの。
突然来て、突然消えてしまう。
結局、一番大切なのは、ドリー自身なんだわ。
私のことなんか、もうこれっぽっちも思い出すことなんてないのよ。
ずぅっと!
今頃はきっと違う、私なんかよりもっとかわいい娘といちゃいちゃしてるんだわ!」
シ「他の娘にとられたくなかったんなら、一緒についていけばよかったのに」
ベ「無理よ。
私のこの体じゃ、もたないわ」
シ「若い子は、口だけは一丁前だねぇ。」
ロ「そこがこの娘のいいところさ。
人魚は所詮おとぎ話だ。」
ベ「そうよ。私は人魚にはなれない。
一生砂の中にもぐってるしかない身なの。
彼と同じ種族に生を受けなかったことを、嘆くしかないんだわ。
はじめからわかってたの。
結局離れ離れになるしかないんだって。
でも、どうしようもないじゃない。
ドリーがいたんだもの。
ドリーのお腹は、なんかあったかかった。
ほんとは、私がいけないんだわ。
ドリーが行っちゃうってわかってて、自分をだましてたの。
私の方こそ、彼をだましてたのかもしれない。
私は、ドリーのすべすべしたお腹よりも、でこぼこした泥の中の方がもともと似合っていたんだわ。
きっとそうよ!」
ロ「考え過ぎだよ。少し食べて、お腹をふくらませてごらん。
いっぱい食べて、少し眠ると、元気つくぞ」
シ「なつかしいね。
あたしらにも、昔にゃこんな時代もあったもんだね」
ロ「ばぁさん、あんたの方が、ワシより遥かに長生きしとるのをわすれちょるのか?
ワシはまだまだ若いぞぃ!」
はかり知れない量の、
水の底を這う者が、
何を考えているのか、
そもそもそんなところに、
生を受けた者がいるのかどうか、
ふと、疑問に思うこともなく、
太陽は、
今日もまた、水面(みなも)を照らす。
陽の光を、優雅によけ、反射し、きらめく。
空には、わかめがぱらついていた。
Rの部屋へ
ベティ (以下べ)
「たしかに私は彼の事を愛してたわ。
でも、それが間違いだったの」
ロブ (以下ロ)
「後悔してるのかい?」
ベ「そんなことないわ。
ただ、私わかったの」
シェリー(以下シ)
「zzz...」
ベ「ドリーは、私の事なんて、本当はどうでもよかったんだわ」
シ「zzz...」
ベ「ドリーは、いつも私のことを見ていてくれてると思ってた。
何か食べてても、寝てて起きた時もすぐに私のことを探してくれた。
クールだから、モテてたのは確かだけど、他のどんな娘が群がってても、たまに私のほうを、寂しそうな目をして見てくれたのが、一番うれしかった。
彼の素敵なダンスも、私に見せるためだけに・・・
でも、全部私の勘違い。
ドリーの口にまんまとノセられたんだわ」
ロ「遠くから見てただけなのかい?」
ベ「そんなことないわ。
しょっちゅうちゃんと二人で話したつもりよ。
ただ、ドリーからどうしても離れない娘も、いつもいっぱいぶる下がってたけどね」
シ「zzz...」
ベ「でも、そんな娘のことなんか、私は一切気にならなかった。
だって、あんな娘たちなんか、私より体もずっと小さいし...彼とは釣り合わないもん。
彼も言ってたの。
水の中には、好きでもないのにどうしても必要な相手がいるの。
必要でないのに、矢鱈にしつこくつきまとう奴もいるわ。
でも、今まで会ったこともなくて、必要もなかったのに、一緒にいるだけで、なんかくすぐったくって、何にもしてなくても、一緒に楽しくなれる人がいるって。
それが私だって!」
ロ「そう言ったのかい?
ばあさん、いびきかいてるよ!」
シ「おっと!」
ベ「まわりにいっぱい群がってたし、ドリーは人気者だから、最後はよく聞こえなかったわ。
でも、ドリーの目はマジだった」
シ「若い奴は思い込んだら絶対だからねぇ」
ロ「ばぁさん、そうからかうな」
ベ「そうよ。全部私の思い込みよ。
ずいぶん馬鹿なことをしたわ。
彼の好きな形の貝殻のあるところを探したし、陽がゆっくりと沈んでゆくときに、だんだん青く染まるのが、ものすごく綺麗なところも見つけた。
私がドキドキしながら小声で誘うと、彼は、ちゃんと来てくれたわ。
そりゃぁいつもってわけじゃなかったけど・・・」
ロ「小娘にしちゃぁずいぶんと積極的じゃぁないか。」
ベ「でも...でも全部嘘だったの。
彼は所詮旅人なんだわ。
たとえ一時(いっとき)どんなにやさしくしてくれたとしても、時がくれば、行ってしまうの。
突然来て、突然消えてしまう。
結局、一番大切なのは、ドリー自身なんだわ。
私のことなんか、もうこれっぽっちも思い出すことなんてないのよ。
ずぅっと!
今頃はきっと違う、私なんかよりもっとかわいい娘といちゃいちゃしてるんだわ!」
シ「他の娘にとられたくなかったんなら、一緒についていけばよかったのに」
ベ「無理よ。
私のこの体じゃ、もたないわ」
シ「若い子は、口だけは一丁前だねぇ。」
ロ「そこがこの娘のいいところさ。
人魚は所詮おとぎ話だ。」
ベ「そうよ。私は人魚にはなれない。
一生砂の中にもぐってるしかない身なの。
彼と同じ種族に生を受けなかったことを、嘆くしかないんだわ。
はじめからわかってたの。
結局離れ離れになるしかないんだって。
でも、どうしようもないじゃない。
ドリーがいたんだもの。
ドリーのお腹は、なんかあったかかった。
ほんとは、私がいけないんだわ。
ドリーが行っちゃうってわかってて、自分をだましてたの。
私の方こそ、彼をだましてたのかもしれない。
私は、ドリーのすべすべしたお腹よりも、でこぼこした泥の中の方がもともと似合っていたんだわ。
きっとそうよ!」
ロ「考え過ぎだよ。少し食べて、お腹をふくらませてごらん。
いっぱい食べて、少し眠ると、元気つくぞ」
シ「なつかしいね。
あたしらにも、昔にゃこんな時代もあったもんだね」
ロ「ばぁさん、あんたの方が、ワシより遥かに長生きしとるのをわすれちょるのか?
ワシはまだまだ若いぞぃ!」
はかり知れない量の、
水の底を這う者が、
何を考えているのか、
そもそもそんなところに、
生を受けた者がいるのかどうか、
ふと、疑問に思うこともなく、
太陽は、
今日もまた、水面(みなも)を照らす。
陽の光を、優雅によけ、反射し、きらめく。
空には、わかめがぱらついていた。
Rの部屋へ
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