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正直、僕の年齢で今話題の「婚活」をする男というのはあまりいないのではないのだろうか。しかし、いつかは僕も愛する人を見つけて結婚をしたいとは思っている。
親にお嫁さんとわが子を見せてささやかな親孝行をしてあげたいし、かわいい自分の息子とキャッチボールしたい。
それに老後、一人きりで生活するなんてあまりにも寂しい。
何かのテレビ番組で聞いた話だが、近頃は、結婚せずにずっと一人で生きていくと決意している女性が多いらしい。
もはや現代ならば、男性でなくとも経済的に自立できるし、子供だって欲しければ結婚しなくても作れる。
これはウカウカしていられない。善は急げということもあり、僕も婚活を始めてみようと思う。
まず、結婚するには第一に結婚相手が必要だ。
学校で、バイト先で、合コンで、ナンパで・・・と探し方は数多くあるが、手っとり早く結婚するには、結婚願望がある相手だといいだろう。
今挙げた四つの手段だと、相手も同じように結婚相手を求めているとは言い難い。
その多くが、インスタントな恋愛を欲しているのではないだろうか。
そこで僕は今回、お見合いパーティーに参加することにした。結婚を前提としているものが多く企画されているし、パーティーならば1対1のお見合いよりも出会える女性の絶対数が多いのでより効率的だ。
会場は池袋にあるビジネスホテルの1階にあるカフェバーだった。
五千円を支払い、会場に入ると男性は皆、エルメスだとかアルマーニだとか、そんな類のめかし込んだスーツスタイルだ。
下北沢で買ったグレーのジャケットに、ユニクロのブルージーンズをはいた僕は、早くも全身に痛い視線を浴びている。
早速、自己紹介タイムがはじまった。20名弱いる女性たち全員と個別に、1人当たり2~3分の会話を楽しむ。
ここで相手のめぼしをつけ、次にあるフリートーク・タイムへと繋げるのだ。
はじめの女性は、白のカッチリとしたスーツに、胸がはだけてしまいそうな大胆な黒のインナーを着ていた。
最初から僕の好みのタイプである。
「こんばんは、高野と申します。こういうパーティーは初めてなので緊張しています」
「私はNと申します。高野さん、失礼ですが、出身の大学はどちらですか」
「はい、横国です」
「ヨココク・・・、はぁ」
「あぁ、あの、真鍋かをりが卒業した大学です」
「えっ、真鍋かをりって横浜国際大なんですか。もっと高学歴だと聞いていたのですが」
「あの・・・横浜国立大学です」
「すいません・・・あまりそっちのほうは詳しくなくて・・・」
という具合に会話が終わった。
次の女性はシックなグレーのドレスを着ていた。他の女性と比べて著しく体のラインが太い。
20代限定お見合いパーティーのはずなのに、明らかにこの女性は35歳を過ぎているだろうという風貌だった。
「こんばんは、高野と申します。素敵なドレスですね」
「あら、お上手ね。私は、Mと申します。高野さん、お仕事は何をされているの」
「実は僕はまだ、大学生でして。横浜の方にある国立大学なんですけれども。でも、夢は映画監督になることで、自主制作でもう何本か映画作っているんですよ」
「へぇー、それはすごいわね。だけど、映画監督ってお金になるの?」
「まぁ、あんまり映画監督でお金持ちっていうのは聞かないですけど、スピルバーグくらいになれば、きっと・・・はい」
「でも、あなた、スピルバーグじゃないんでしょう」
僕は自分に見切りをつけて会場を後にした。
高野 徹
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それに老後、一人きりで生活するなんてあまりにも寂しい。
何かのテレビ番組で聞いた話だが、近頃は、結婚せずにずっと一人で生きていくと決意している女性が多いらしい。
もはや現代ならば、男性でなくとも経済的に自立できるし、子供だって欲しければ結婚しなくても作れる。
これはウカウカしていられない。善は急げということもあり、僕も婚活を始めてみようと思う。
まず、結婚するには第一に結婚相手が必要だ。
学校で、バイト先で、合コンで、ナンパで・・・と探し方は数多くあるが、手っとり早く結婚するには、結婚願望がある相手だといいだろう。
今挙げた四つの手段だと、相手も同じように結婚相手を求めているとは言い難い。
その多くが、インスタントな恋愛を欲しているのではないだろうか。
そこで僕は今回、お見合いパーティーに参加することにした。結婚を前提としているものが多く企画されているし、パーティーならば1対1のお見合いよりも出会える女性の絶対数が多いのでより効率的だ。
会場は池袋にあるビジネスホテルの1階にあるカフェバーだった。
五千円を支払い、会場に入ると男性は皆、エルメスだとかアルマーニだとか、そんな類のめかし込んだスーツスタイルだ。
下北沢で買ったグレーのジャケットに、ユニクロのブルージーンズをはいた僕は、早くも全身に痛い視線を浴びている。
早速、自己紹介タイムがはじまった。20名弱いる女性たち全員と個別に、1人当たり2~3分の会話を楽しむ。
ここで相手のめぼしをつけ、次にあるフリートーク・タイムへと繋げるのだ。
はじめの女性は、白のカッチリとしたスーツに、胸がはだけてしまいそうな大胆な黒のインナーを着ていた。
最初から僕の好みのタイプである。
「こんばんは、高野と申します。こういうパーティーは初めてなので緊張しています」
「私はNと申します。高野さん、失礼ですが、出身の大学はどちらですか」
「はい、横国です」
「ヨココク・・・、はぁ」
「あぁ、あの、真鍋かをりが卒業した大学です」
「えっ、真鍋かをりって横浜国際大なんですか。もっと高学歴だと聞いていたのですが」
「あの・・・横浜国立大学です」
「すいません・・・あまりそっちのほうは詳しくなくて・・・」
という具合に会話が終わった。
次の女性はシックなグレーのドレスを着ていた。他の女性と比べて著しく体のラインが太い。
20代限定お見合いパーティーのはずなのに、明らかにこの女性は35歳を過ぎているだろうという風貌だった。
「こんばんは、高野と申します。素敵なドレスですね」
「あら、お上手ね。私は、Mと申します。高野さん、お仕事は何をされているの」
「実は僕はまだ、大学生でして。横浜の方にある国立大学なんですけれども。でも、夢は映画監督になることで、自主制作でもう何本か映画作っているんですよ」
「へぇー、それはすごいわね。だけど、映画監督ってお金になるの?」
「まぁ、あんまり映画監督でお金持ちっていうのは聞かないですけど、スピルバーグくらいになれば、きっと・・・はい」
「でも、あなた、スピルバーグじゃないんでしょう」
僕は自分に見切りをつけて会場を後にした。
高野 徹
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